デザインと罫線

グラフィックデザイン(とくにエディトリアルデザイン)における、効果的な罫線の使用法を紹介していきます。

カギ型の罫線 その3(※春画です)

春画の図版が刺激的で公開を躊躇ってしまいますが(笑)、雑誌『芸術新潮』2010年12月号で使用されたカギ型の罫線を紹介します。


★カギ型の罫線(実際に使われたもの)

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▲画像出典=『芸術新潮』(新潮社)2010年12月号71ページ
(※Web上で見やすくするために、解説部分にある罫線を実物より太くしています)

▲これは図版の解説部分にカギ型の罫線が引かれているもので、罫線の位置と方向で、解説がどの図版に従属しているのか、一目で分かるようになっています。


★罫線を全て無くしたもの

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▲画像出典=『芸術新潮』(新潮社)2010年12月号71ページ
※解説部分にある罫線を無くしたものです

▲これで罫線がなければ、左上にある解説が上にある図版に従属するのか、下にある図版に従属するのか、やや分かりづらくなってしまいます。(酷く分かりづらいわけではないですが、罫線を使ったほうが親切で、ページ全体も引き締まります)


★法則性を乱した罫線

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▲画像出典=『芸術新潮』(新潮社)2010年12月号71ページ
(※解説部分にある罫線の法則性を乱したものです)
(※Web上で見やすくするために、解説部分にある罫線を実物より太くしています)

▲もし、上の画像のような罫線の使い方をしてしまうと、読み手は混乱してしまうことでしょう。元のぺージは「線の開いている方向に図版がある」という法則性に基づいているからです。

芸術新潮 2010年 12月号 [雑誌]

芸術新潮 2010年 12月号 [雑誌]