デザインと罫線

グラフィックデザイン(とくにエディトリアルデザイン)における、効果的な罫線の使用法を紹介していきます。

2013-01-01から1年間の記事一覧

下線・傍線 その1

▲〈図1〉Web上での下線 ▲〈図2〉レイアウトソフトで調整をした下線 文字列の強調に使われる「下線」も身近に見ることのできる罫線です。しかし〈図1〉のように、Web上の表示や一部のワープロソフトでは文字と下線が密着しており、読みづらい上に美しくありま…

カギ型の罫線…ではないけれど

▲画像出典=『デザインの現場』(美術出版社)2009年6月号24ページ カギ型の罫線ではありませんが、四辺すべてを閉じないことで開放感を生み、見出しとの繋がりをも生んでいる表組みの例です。図版と図版の間に「+」の記号が示されているようにも見え、デザ…

カギ型の罫線 その6

最近見つけたので論文に取り上げなかった罫線です。ただこれは「好みの問題」と言われても仕方ないかもしれないのですが、事例として面白かったので紹介します。 ▲画像出典=『もう一度、ごちそうさまがききたくて。』(栗原はるみ・美術出版社)6ページの全…

カギ型の罫線 その5

▲画像出典=『紙の大百科』(美術出版社)116ページの全体 ●三辺に線があるカギ型の罫線 ▲画像出典=『紙の大百科』(美術出版社)116ページの一部 書籍『紙の大百科』(美術出版社)で使われたカギ型の罫線は、これまでに紹介してきたものと違い、三辺に線…

カギ型の罫線 その4

▲画像出典=『芸術新潮』(新潮社)2011年6月号61ページ またまた『芸術新潮』より。2011年6月号の特集ではカギ型の罫線が多用されました。 同誌のアートディレクターを務める日下潤一(くさか・じゅんいち)氏にお会いさせて頂く機会があり、お話を伺ったと…

カギ型の罫線 その3(※春画です)

春画の図版が刺激的で公開を躊躇ってしまいますが(笑)、雑誌『芸術新潮』2010年12月号で使用されたカギ型の罫線を紹介します。 ★カギ型の罫線(実際に使われたもの) ▲画像出典=『芸術新潮』(新潮社)2010年12月号71ページ(※Web上で見やすくするために…

カギ型の罫線 その2

▲画像出典=『タイポグラフィの基礎』(誠文堂新光社)183ページ ★カギ型の罫線(実際に使われたもの) ▲画像出典=同上(再現のため、細部が一部異なります) ▲書籍『タイポグラフィの基礎』(誠文堂新光社)でも、註釈を表記する部分にカギ型の罫線が使わ…

カギ型の罫線 その1

▲画像出典=an・an 1990年9月21号(『本と雑誌のデザインがわかる本』〈ソシム社〉174ページより) 新聞レイアウトの手法は、雑誌『an・an』で応用されました。これに対してグラフィックデザイナーの工藤強勝(くどう・つよかつ)氏は、以下のように分析して…

罫線の多い新聞レイアウト

まず手始めに、こちらの画像をご覧ください。そして、どちらが読みやすいか比較して下さい。 ▲画像出典=『北海道新聞』2011年7月22日 日刊10面 ▲画像出典=『北海道新聞』2011年7月22日 日刊10面(罫なし加工後) さてどうでしょう? 下にある罫線の無い新…

『デザインと罫線』について

このブログは、私、小倉佑太が大学院(東海大学芸術工学研究科生活デザイン専攻)在籍時に執筆した論文(『エディトリアルデザインにおける文章記号の研究』)を、わかりやすい形に再編集して公開するものです。しかし、そもそも「デザインと罫線」というタ…