見出しを示す罫線 その2(裁ち落し囲みケイ)
きょう紹介するのは、
見出しを示す罫線の第2弾、
工藤強勝氏が「裁ち落し囲みケイ」
と書いていたものと、
それに似たものです。
自作が多いので恐縮ですが、
こちらは私が2008年にデザインさせて頂いた
大学研究所の所報の一部です。
(『NR+』東海大学北方生活研究所所報 No.34 2008 20ページ)
「フィン・ユール邸の家具配置」というタイトルの上に
太い罫線(無双ケイと言います)を配置してみました。
細い明朝体の見出しが強調できたほか、
紙面全体を引き締める効果が演出できたと思っています。
罫線のあるものと無いものを並べてみます。
線がないと、どうも間の抜けた印象になるでしょう……?
さて、上図は、グラフィックデザイナーの工藤強勝氏による
指定紙の一部です。罫線に対する指定の痕跡が見てとれます。
(タイポグラフィ・タイプフェイスの現在
〈女子美術大学〉172ページより)
楷書体の文字だけでは「タイトルとして弱い」と判断した結果
罫線を引くことになったのでしょうか……?(推測ですが)
そしてこちらが完成形。
(タイポグラフィ・タイプフェイスの現在
〈女子美術大学〉172ページより)
上図は先に取り上げた
工藤強勝氏デザインの「住まう」の
本文ページ指定紙です。
「裁ち落し囲みケイ入れる」と書いてありますね。
この名称ははじめて知りました。
他の方もそう呼んでるのでしょうか……?
そして……
指定紙を経て完成されました。
罫線により全体が引き締まっていてカッコイイですね◎。
(デザイン解体新書
〈工藤強勝 ワークスコーポレーション〉72〜73ページより)
こちらは私が2010年に自らデザインしたパンフレット。
シンプルに見せようと装飾は極力排除しているものの、
右上に重要な解説文があるため、
下図のように罫線を引くことで目立たせました。
上図は2011年にデザインした自作ポートフォリオの一部です。
ビジュアル全体をしっかり見せたかったので、
見出しを左下の隅に追いやってしまいましたが……。
罫線を引くことで見出しが惹きたつように調整しました。
こちらは2010年に自らデザインさせて頂いたパンフレット。
見出し部分に太い罫線を引いたものの、
色のベタ塗りでは主張が強すぎると判断し、
グラデーション処理を施して色が抜けるようにしました。
補足ですが、罫線の主張を弱くするためには
「色の濃度を下げる」という手法もありますし、
どんな色を使うかによっても印象が変わりますね。
とりあえず、今回はこんなところ。