カギ型の罫線 その4
▲画像出典=『芸術新潮』(新潮社)2011年6月号61ページ
またまた『芸術新潮』より。2011年6月号の特集ではカギ型の罫線が多用されました。
同誌のアートディレクターを務める日下潤一(くさか・じゅんいち)氏にお会いさせて頂く機会があり、お話を伺ったところ、「普段の特集よりも文字数が少なかったため、余白が多くなりすぎないように罫線を設けた」と仰っていましたが、この頁を見る限りでは、カギ型の罫線が見出しと本文を明確に分け、ホワイトスペースを活かして見せる効果をも生んでいるように思えます。
芸術新潮は毎月発行される上に毎号特集のテーマが違うので、こういった罫線を設けることで他の月との差別化をはかる狙いもあるようです。日下氏は長らくの間、罫線を使わないデザインを心がけていたそうですが、近年は実験的にも罫線を増やす方向にあると言います。