デザインと罫線

グラフィックデザイン(とくにエディトリアルデザイン)における、効果的な罫線の使用法を紹介していきます。

『デザインと罫線』について

このブログは、私、小倉佑太が大学院(東海大学芸術工学研究科生活デザイン専攻)在籍時に執筆した論文(『エディトリアルデザインにおける文章記号の研究』)を、わかりやすい形に再編集して公開するものです。しかし、そもそも「デザインと罫線」というタイトルが何を意味するのか? 説明が必要です。

2005年から現在に至るまで、雑誌『アイデア』のアートディレクションを手がけるデザイナーの白井敬尚(しらい・よしひさ)氏は、自身が駆け出しの頃、「カタログをどう見せるか」について、以下のような試行錯誤をしたと述べています。

カタログは限られた紙面の中に膨大な数の商品を掲載し、しかも品番、品名、価格、サイズ、カラーなど多種多様な情報を整理して載せなければなりません。ユーザーやディーラーが使いやすいようにするには、組版で情報に優先順位をつけてやるしかないわけです。商品スペックひとつ組むにしても、同じ書体でボールドからライトまでのウエイトによる濃度差による強弱をつければ、単に文字サイズを大きくしなくても解決できるとか、飾りではない機能としての罫線の使い方とか、いくつもスペック組みのパターンを作って、試行錯誤を重ねていました。

(引用元=クリエーターズファイル | 白井敬尚 | GA info.

ここで注目したいのは、太字にした「飾りではない機能としての罫線の使い方」という言葉です。「飾りとしての罫線」、いわゆる「飾り罫」についての資料は充実しているものの、「機能としての罫線」についての考察は、前例がなさすぎて、参考資料がほとんどありませんでした。本ブログはそこへ切り込むものです。

本ブログがデザイナーやデザイナーを志す学生に多く参照して頂けることを願ってやみません。というか、罫線というのが余りにも便利なので、私にとっては「秘伝のタレ」を紹介してしまう心境なのですが、このたび解禁。マイペース更新ですが、どうぞよしなに。